八剣山 滑落事故

dai_

2012年10月27日 19:08


午後から軽い散歩のつもりで行った八剣山で思わぬ事故に遭遇した。

場所は標高450m付近の東側崖斜面。自分が通るほんの数分前にその

滑落事故は発生していた。





事故現場(赤い×部)






滑落した方は下山途中の3人女子グループのうち1人で、岩場のロープを2人で

持って降りていたところ、突然ロープが切れて東側の崖下約7~8mに

転落したとの事。幸い途中の木に引っ掛かり、それ以上下に落ちる事は

なかったものの、左ひざが骨折しているようで、膝から下が全く動かせない状態

だったが意識ははっきりしていた。先に通りがかった登山者が崖に降りて

遭難者を支えていてくれている状態だった。




他の登山者が電話で119に通報中の状況だったが

途中自分が代わって携帯GPS(DIYGPS)の緯度経度、そして標高

と山頂からの方角、遭難者の状態などを伝えた。

暫くしてヘリの音が聞こえてきたので、視界の開けた場所に移動し

ジャケットを脱いで振り回す。レスキューは下から登ってくるものだと

思っていたが、狭い岩場にヘリからワイヤーで2人降りてきた。

ヘリのダウンウォッシュが酷く、風圧で倒されそうになる。










崖からの引き上げ作業はレスキュー2人を中心とした5人で行った。

自分は遭難者に装着されたレスキューハーネスを引っぱり、最終的に

登山道に引きずり上げる役を担う。登山道に引き上げてから持っていた

テルモスのコーヒーを飲ませてあげる。緊張で喉が渇いていたようだ。

レスキューがサムスプリントで左膝を固定しピックアップ地点まで

遭難者を50mほど担いで移動する。

その後無事にヘリにピックアップされ、豊滝の道路情報館に着陸後

救急車であっという間に搬送されていった。












事故現場   赤い線が普段ロープが架かっている場所






トラロープの切れた部分  ちぎれている感じで切れている 




2人で同時に降りてしまった為、2人分の体重がロープにかかったのも

あるだろうが、そのロープは明らかに劣化していたので、たとえ1人だった

としても不用意に体重をかけたりするといつかこういった類の事故は起きた

のかもしれない。(トラロープの材質であるポリエチレンは紫外線で劣化する)

実際自分も下山時にこのロープを利用はしているが、メインは自分の足と手で

支持をとって慎重に降りている場所だ。

でもあらためてロープや鎖を信用してはいけない事を痛感させられる事故だった。

怪我をされた方の1日も早い回復を願うばかりだ。









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